Research × ringo-a.me
人間失格の僕が太宰治を学びに行ったら大変なことになった 〜前編〜
更新日:2016年11月09日
こんにちは、青森に移住した生まれも育ちも東京の生ゆるキャラ・りんご飴マンです。
主に青森でオープンしたてのお店に前日から並び、頼まれてもいないのに勝手にレポートするなどのお仕事をしております。両親が毎日Twitterを監視してきてとても心配しています。
さて、突然ですがあなたは「青森」と聞いて何を思い浮かべますか? りんご、ねぷた、りんご飴マン…。本日は津軽が生んだ、ある文豪にまつわるお話です。どうぞご覧ください。
〜弘前市某横丁〜
「おのゆう君。僕も東京から移住して早1年と半年。もうすっかり津軽人として馴染んできたと思わんかね」
「どうしたんですかいきなり。まぁ確かに、もう顔の赤い人が歩いていても誰も何も言わなくなったくらい馴染みましたよね」
「それはそれで悲しいけどね」
「でも僕思うんですけど、りんご飴マンさんは本当にこの津軽のことを知っているのかなって。試しに、津軽と聞いて思いつくものを言ってみてください」
「りんご! ねぷた! 津軽美人!」
「誰でも知ってるものばっかりじゃないですか! じゃあ人物だとどうですか?」
「えー? りんご娘」
「もちろん超有名アイドルですけども! 誰かお忘れじゃないですか?」
「津軽と言えばこの方でしょう!」
「だれこれ」
「津軽が生んだ文豪・太宰治ですよ!」
太宰 治(だざい おさむ、1909年(明治42年)6月19日 – 1948年(昭和23年)6月13日)は、日本の小説家である。本名、津島 修治(つしま しゅうじ)。自殺未遂や薬物中毒を克服し戦前から戦後にかけて多くの作品を発表。没落した華族の女性を主人公にした『斜陽』はベストセラーとなる。その作風から坂口安吾、織田作之助、石川淳らとともに新戯作派、無頼派と称された。主な作品に『走れメロス』『津軽』『お伽草紙』『人間失格』がある。※Wikipediaより
「あー太宰…。あー」
「全然ピンときてないですよね」
「普段小説とか読まないからね…。てかさ、君もぶっちゃけ太宰治あんま知らないでしょ」
「知ってますよ! まさか飴マンさん、今話題の『文スト』を知らないんですか?」
「なにそれ」
(C)2016朝霧カフカ・春河35/KADOKAWA/文豪ストレイドッグス製作委員会
「なんてことだ〜〜〜〜!! 朝霧カフカ先生原作の、日本の名だたる文豪がキャラクター化され、それぞれの特異能力を用いて戦う人気アクション漫画『文豪ストレイドッグス』(そしてテレビアニメも絶賛放送中)を知らないなんて〜〜〜〜!!」
「説明ありがとう。え、この人たち全員文豪なの? そして戦うの?」
「そうです。ちなみに太宰は特異能力『人間失格』を使います」
「なにそれこわい。ぼっこぼこに説教されんの?」
(C)2016朝霧カフカ・春河35/KADOKAWA/文豪ストレイドッグス製作委員会
「そして、太宰治はこちらです」
「めちゃめちゃイケメンやんけ!!!!」
「イケメンだらけの世界ですから」
「優しくない世界…」
「ということで飴マンさん。津軽に住んでいながら太宰治を知らないのはとてももったいないです。この文ストを持って太宰ゆかりの地を訪ね、本当の津軽人になりましょう」
「なんかいいように言いくるめられているような…」
「太宰を制するものは津軽を制す、です」
「人間失格号」に乗ろう
〜翌日、津軽鉄道「津軽五所川原駅」にて〜
たまたま居合わせた津軽鉄道キャラクター「つてっちー」と写真を撮る僕。
「おはようございます、コスプレもしてやる気満々ですね」
「形から入るタイプだからね。で、これから何するの?」
「太宰も乗った津軽鉄道で期間限定の『人間失格号』が運行するので、それに乗りましょう」
「ネーミングセンスやばい」
創業86年を誇る津軽鉄道は地域に愛されるローカル列車。現在も地元の学生などを中心に利用されており、冬場は車両に石炭ストーブを置いて、その上にスルメも焼ける「ストーブ列車」などイベントも盛りだくさんである。太宰治もこの列車に長い間お世話になっていたとされている。
こちらが人間失格号。ヘッドマークがシュールすぎる。
あの名作もちゃっかり入ってます。
ガタンゴトンとゆっくり動きだす列車。のどかな風景が続きます。
一見のどかな車内だが、よく見ると様々な装飾があるのだ。
網棚の装飾の上にはアニメ文ストの太宰登場シーンのポスターが。ファンにはたまらない光景だろう。
つり革広告スペースにはおすすめポイント情報が。太宰の小説に登場する場所などを丁寧に解説している。
等身大パネル。横にいけばツーショットを撮ることができるぞ。高身長かつイケメンとかどういうつもりなの?
そして地元アテンダントによる作品解説や観光案内。優しい津軽弁が車内を優しく包んでくれるのだ。
車窓から見える津軽富士・岩木山は今日も元気だぜ…。
太宰治もきっとあの岩木山を見ながら弘前・青森へ出かけたにちがいない。
人間失格号。とても情緒ある列車でした。
「おかえりなさい。どうでした?」
「太宰が車窓から景色を眺めている姿が見えたよ」
「なにそれこわい」
「うん? なにこれ」
「あぁ、それは等身大パネルです。文ストに登場するキャラクターと写真を撮ることができるんです。せっかくなので一緒に撮りましょう」
「ちなみにどなたですか?」
「フランシス・Fです。さぁこんな感じで、津軽中に設置されている等身大パネルをまわりましょう」
「はい?」
「言い忘れていましたが、実は文ストと青森県がコラボする形で、太宰治関連施設を中心にそれぞれ違うキャラクターの等身大パネルが設置されているんです。施設をまわり、太宰を熟知したという証拠としてパネルの写真を撮ってきてください」
「ちょ待てよ。パネルって何箇所あるのよ」
「13箇所」
「あたまおかしい」
「太宰を制する者は津軽を制す。残り12箇所。時間がないのでサクサクいきますよ!」
地獄の後編はこちらから