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りんご飴探求の旅〜りんごワーク研究所
更新日:2013年01月19日
翌朝。
前日飲みすぎて少し寝坊をしたが、当初の目的を完遂すべくホテルを出た。
青森駅周辺は海沿いなので風が強く、初夏ながら少し肌寒いくらいであった。
潮の匂いと波の音が心地よく、正直もう帰りたくないです。。。東京嫌いです。
本日の目的は「りんごワーク研究所」という、板柳にある「ふるさとセンター」内のいわゆるりんごの里に行き、りんごの魅力を肌で実感することだ。
早速駅に向かっていたら巨大な三角形の建物があったので寄ってみると、観光物産展をしていた。青森の美味しそうな食べ物がいっぱいだぁ。「せんべい汁」をすすり、「長谷川自然豚」の焼きとん串、青森県産アップルパイを頂き、最高の朝ごはんになった。写真を撮らなかったことが悔やまれるが、是非青森に行った際は食べて欲しい。
更に中に入ってみると、特産品がずらり。
地元の子供たちが元気を歌い、地元の高校生は売り子をしていた。
屋内に展示されていた「ねぶた」も見事。
2010年に東北新幹線八戸-新青森間が開通し、2011年には東京-新青森間を最速3時間10分で結ぶ「はやぶさ」がスタート。早速明らかな開業効果が見られ、今後日本中から青森県に観光客が訪れることになると思っていた。
しかしながら、3月11日の東日本大震災により被害を受けたのは宮城や福島だけではなく、青森県も例外ではないことを再認識した。
「復興」という巨大なプロジェクトに東北全体が協力し合い取り組んでいる姿は印象的で、少しでも役に立ちたいと思うようになった。
と、大変興味深い寄り道となった。
青森駅から板柳駅まで1時間ほど。りんごの里がお出迎え。
ここから徒歩でりんごワーク研究所へ。
いつだってりんご。
着いた。建物の形といい、りんごのマークといい、非常にシュールだ。
ここ「りんごワーク研究所」はりんごを素材とした創作品の開発・育成による地場産品作りを進めている。「りんごワーク」は、りんごの花・実・葉・幹などから創り出される、すべての製品の総合的なブランド名、ということだ。
突然の訪問ながら、今回も見学ツアーを組んでもらった。写真はりんご娘コンパニオンさん。名前を聞くのを忘れてしまったが、とても丁寧に優しく教えていただいた。
まずはおなじみ、日本のりんご大百科。
反射シート。真っ赤なりんごになるために大活躍。
!?
すいません、これはちょっと覚えていないです。。。
他には昭和の時代から導入されていた薬剤散布機など、りんごの大量生産を成功された功労者たちがたいそう展示されておった。
ここまではりんご研究所とそこまで変わらないなぁ…と思っていたが、圧巻だったのはこれだ。
百歳のりんご樹。
明治~大正~昭和~平成と100年に渡って時代を見つめてきた、板柳町のりんご生産の中で最も古いりんごの樹。腰のひんまがった太い枝が歴史を物語っておるのです。
更に施設を移動し、りんごを食以外で加工しているクラフトゾーンに連れていってもらった。
ここではりんごの草木染や林寿(りんごの木の皮を編んで作る工芸品)、陶芸などの体験施策があり、この日は体験者も少なかったのでりんご飴についても少し聞いてみたが、やはり我々の「りんご飴」を伝えても首をかしげる方が多かった。
実際に工芸品を作っている現場を覗かせてもらった。
この煮込んでいるものは、りんごの葉からとれた染料。少し赤みのある綺麗なピンク色を利用して、糸や生地を作るのだ。
完成品はこちら。思わず買ってしまったよ。
思わずこれも買ってしまったよ。はっきり言おう、後悔している。
すったもんだあったが、りんごワーク研究所もりんごの新しい魅力が発見できた場所であった。
りんごはただ食べるだけではなく、搾ったり、染めたり、吸ったり、編んだり、焼いたり、揉んだりして、様々な楽しみ方があることを知った。
それと同時に、こういったコミュニティーが青森県を盛り上げ、大きくしていくために必要であることも理解した。
りんご飴を追及すべく旅に出た当初の目的は藻屑と消えたが、意外なりんごの魅力に心が踊る。
「ringo-a.me」を介して、多くの人にりんごの魅力をもっと伝えたい。
そのために、小さなことからはじめていこう。
そう思いながら、青森駅の電車に乗り込んだのであった。
最終回、「さよなら青森と僕らがしたいこと」。
このコラムは、誰が見ているのだ?
文:下田翼