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公式サポーター・りんご飴マンが行く! メディア芸術祭・青森展の楽しみ方 〜「バザーのような芸術祭」編〜
更新日:2016年03月17日
前回、公式サポーターに就任したのにぞんざいな扱いを受け、ぶち切れるりんご飴マン。
挙げ句の果てに飲食物持ち込み禁止のためサランラップを頭に巻きつけられたが、さすがに窒息しそうだったので今回だけ特別に許してもらった。
冗談なのか本気なのか分からない大人たちの暴力に僕は眩暈がしたが、いよいよ青森県立美術館内を案内してもらえることになった。
いよいよ館内を視察。階段からしてすでにワクワク感がとまらない。
まだ何の準備もされていない館内はとにかく広い、広すぎる。
こんな空間が何個もある。
「広すぎでしょ。一体、何に使うんですか?」
「展示スペースとして使うのがメインですが、他にもライブパフォーマンスやワークショップなどにも使います。例えば、『チームラボ』の作品なんて代表的なコンテンツの1つですね」
「チームラボ?」
©Sisyu + teamLab, 2013-, Interactive Digital Installation, Calligraphy:Sisyu, Sound: Hideaki Takahashi
「アートとテクノロジーの融合を掲げ、数多くの作品を手掛けている『ウルトラテクノロジスト集団』。それがチームラボです。今回は子どもたちが楽しめる体験型展示作品を用意しています」
「え、なにこれすごそう。写真だと子供たちが壁の文字のようなものにタッチしてるけど、これは何をしてるんですか?」
「それは是非会場で確かめてみてほしいですね。きっと楽しんでいただけると思います」
「気になりすぎる。家族連れで来たら子どもよりも大人が楽しんじゃうやつだ」
「ワークショップでは『視聴覚交換マシン』なんかもオススメです。2006年日本のメディア芸術100選に選出された八谷和彦さんの作品です」
「!? なにこれ」
「実はこれ、お互いの見ているものを交換しちゃう装置なんです。自分の視点が他人の視点になってしまい、 相手の立場に強制的に立たされてしまう。『自分って一体何なのか…?』そんなことまで考えさせてくれる作品です」
「すっげぇやりたいこれ!!!!」
「私とペアになってこのマシンを使えば、私がりんご飴マンの視点を得ることになりますね」
「ぼく、いつも下しか見てないからつまらないと思いますよ」
※日程限定のワークショップです。詳しくはこちら
「こちらはシアターです。ここではトークイベントやライブ、映像作品の上映などを無料で行います」
「音響もすごそうだし、普通に映画館じゃないですかこれ」
「例えば、サマーウォーズなんかも上映しますよ」
© 2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS
「サマーウォーズ」
多くの人に愛されロングランとなった『時をかける少女』から3年。一躍注目を浴びた監督・細田守が、満を持して送りだした最新作。キャラクターデザイン・貞本義行、脚本・奥寺佐渡子など『時をかける少女』のスタッフが再結集し、大家族アクションエンターテインメント映画に挑戦。入場者数100万人超のヒット作となった。
「ふおおおぉぉぉおおサマーウォーズ大好き!!!!過去の名作をこういった素晴らしい施設で観ることができるのは普通にテンションあがりますね!!」
青森県立美術館で行われた「文化庁メディア芸術祭 青森展」のトークショー終わりました…!いっぱいいーっぱいお話しできて楽しかったです(*´◡`*)そして、沢山の方々にお会い出来て幸せでした!また帰ってきた際はよろしくお願いします! pic.twitter.com/XZ5alpshqs
— 三上枝織 (@mikami_shiori) March 12, 2016
「先日はここで三上枝織さんのトークイベントもありましたね」
「うん、楽しかった。ちなみにりんご飴マンのトークイベントはありm
「ありません」
「早いよ!!」
「そしてリアル謎解きゲーム「邂逅」。これはりんご飴マンも既にプレイ済みなんでしょ?」
「はい!これ侮ってましたけどめちゃめちゃ面白いですからね。実際の美術館の中で、頭と体を使って謎を解き明かす体感型ゲーム。具体的な内容を言えないのがもどかしいけど、絶対驚かされると思います。是非行った際には遊んで欲しいデームですね」
※日程限定の有料イベントです。詳しくはこちら
「作品の展示だけではなく、体験型コンテンツに名作の無料上映、そしてリアル謎解きゲームと一日中いても楽しめそうな神イベントですね」
「うんうん。りんご飴マン的には何が一番気になった?」
「う〜ん、そうですねぇ」
「広さかな」
部屋に戻るとたくさんの漫画が。
イベント中はマンガライブラリーとして読むことができる他、
一部原画の展示など、原作ファンにはたまらない内容だ。
「奥脇さん、ちょっと変な質問ですがこのイベントにはマンガだけ読みにきてもいいんですか?」
「もちろんOKですよ。でも、なんで?」
「このイベントには本当に色んなジャンルがあるじゃないですか。アート、エンタメ、アニメーション、マンガ…。だけど、マンガにしか興味のない人はマンガのコーナーにしか行かないんじゃないのかなって。でもせっかくだから、色んな展示品や体験コンテンツ、イベントを見てもらいたいじゃないですか」
「なるほどね。実は、青森展では特にジャンルを分けているわけではなく、全ての作品が共存し合うような空間にしているんです。マンガの横にエンタメ、エンタメの横にアニメーション、アニメーションの横にアート、といったように、いつの間にか色々な『メディア芸術』を楽しむことができると思います」
「なるほど!だけど…」
「例えばマンガですけど、僕にはどうしてもアートと言われてもピンとこないというか。もちろんマンガは大好きなんですけど、メディア芸術と捉えて楽しむためにはどうすればいいのでしょう?」
「『芸術』という言葉に惑わされず、ありのままを楽しむことが大事だと思います。例えば、マンガを読んだ後の『マンガ脳』になっている状態で、小難しそうな映像作品を見ると、新しい価値観が生まれるかもしれない。あれ、もしかしてこういうことを言いたかったのかな、という気づきになるかもしれない。そういうような気づきが生まれやすいように、作品の配置だったり、イベントの構成を考えているので、是非隣り合った作品たちを見比べてほしいですね」
「なるほど!難しく考えず、色々な作品をそれぞれの感性で楽しめばいいのですね」
「僕はこの企画全体を、バザーのようなものだと考えているんですよ」
「バザー、ですか?」
「決められた場所に決められた物があるのではなく、広場に色々なものが無造作にあるイメージです。なので、『美術館に行く』のではなく、バザーに行くような感覚で気軽に立ち寄ってほしいですね」
「いいですね、ワクワクしてきたなぁ。じゃあ、服装とかもラフでいいんですか?コスプレとかで来てもいいんですか?」
「いいですよ。ただ、葉っぱとかポロポロ落とすようなコスプレだったら毟りますけどね。作品を傷つけない、汚さない、周りの方の迷惑にならないようなものでお願いします」
僕は美術館というものが少し苦手なのかもしれない。あてはめられた作品を見て、それを理解できなかったとしたら自分の幼稚さを恥じてしまうからだ。だけど、自分の好きなもの、理解できるもの、共感できるものを見に行ける、そしてバザーのような、いつでも遊びに行ける場所なのだとしたら、なんて素敵な空間なのだろう。
これまで自分はアートというものを、何か理解が及ばない遠い存在のように感じていたのだろう。だけど、寝っ転がって読んでいたマンガでさえも、笑い転げて見ていたアニメでさえもアートと呼ぶのであれば、急に身近に感じてきた。そして、複雑に感じる映像作品や展示作品でさえもちょっぴり距離が近くなってきたような、そんな感じがするのだ。
皆さんも是非青森県立美術館に行ってみて、この「距離感」を体験してみてほしい。
よーしりんご飴マンも三上枝織さんに負けずに、頑張ってPRするぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!
「頼みますよ、公式サポーター!」
・・・
・・・
・・・
・・・
「くしゅんっ!」
「(風邪かな…?)」
おわり
9:30〜17:00(入場は16:30まで)会場:青森県立美術館休館日:会期中無休観覧料:無料 (関連イベントの一部は有料です。)公式サイト